家の外観とまちなみ
家の外観については、年月が風格をあらわすようになっていけばば良いなと考えます。 街全体が古びて、その美しさをましていく、そんな街のおもむきというのは決して悪くありません。 歴史がその街の価値を挙げるような街に住みたいですね。
昔からある今でも美しい建物というのは、その外壁の材料のほとんどが自然のものでした。 木、石、土塗り、土を焼いたレンガ、タイルなど。 近・現代の建材であるコンクリート打ち放しも、コンクリートそのものは、ローマ時代から使われているので、これも歴史に耐えた自然建材といえるかもしれません。
工場生産される、機能性の高い住宅用の外装材の主流である、窯業系タイルですが、その意匠の基本は、組積造「風」、木のサイディング「風」の何かを模したものがほとんどで、非常によくできた高価なものを含めても、なかなかその「風」の感じがなくなることはありません。 そのなかで塗壁(スタッコ仕上げ)の現代版である吹付け仕上げは、現代の外装材の中では、緑や自然材にうまくマッチする外装材の一つではないかと考えます。
また小なりとも街の景観の一部を形成する、家の外観というのは、もちろんその一つ一つの個性も大事ですが、その街の歴史や地域性を考えながら設計することも大切です。 自邸では、建て替えの際に、古い我が家の外観の大事な要素であった、緑がかった大谷石の外塀を、階段のステップに再利用することで、少しでも昔の風景の記憶を今の家に受け継ぎ、今までのように街に調和することができたらと考えました。